反グローバリゼーション運動の可能性:資本主義の終わりのために


国際公開シンポジウム
反グローバリゼーション運動の可能性
資本主義の終わりのために
日時:2009年725日(土) 14時〜17時30分
場所:早稲田大学 早稲田キャンパス10号館 109教室(大隈銅像後方)
基調講演:デヴィッド・グレーバーロンドン大学ゴールドスミス校准教授)
対論者:李珍景スユ+ノモ研究員)
    池上善彦『現代思想』編集長)

参加無料/日本語通訳有
主催:早稲田大学 梅森直之研究室 グレーバー来日シンポジウム実行委員会
連絡先:graeber2009symp@hotmail.co.jp

金融危機以降、次第に明らかになってきたグローバルな資本主義の破綻は、世界各国で深刻な社会不安や対立を生み出してきました。しかしこうした危機の認識は、資本主義への対抗を模索する人々の間に、世界的な連帯の必要性と可能性の新しい自覚をも育てています。現在、世界中で展開されている様々な反グローバリゼーション運動は、新しい人と人とのつながりのかたちを生み出しながら、ひとつの大きなうねりとなって、現存する社会秩序に大きな変化をもたらそうとしています。
わたしたちの共同研究プロジェクト「『帝国』の遺産と東アジア共同体」では、これまで、「帝国」をキーワードに、国際的な支配秩序の形成と展開を、それへの対抗運動の分析とともに、とりわけ東アジアという空間に定位しながら検討することを試みてきました。本シンポジウムでは、アナーキズム人類学者のデヴィッド・グレーバーさん、「研究空間スユ+ノモ」の李珍景さん、『現代思想』編集長の池上善彦さんをむかえて、資本主義に対抗し、オルタナティブを創出してきた世界各地の運動実践と、その意義について討論をおこないます。
デヴィッド・グレーバーさんは、2000年に北米のDirect Action Networkに参加し、以後、反グローバリゼーション運動のエスノグラフィーを記述し、その理論化を行ったことで、世界的な注目を集めています。近年では、日本でも『アナーキスト人類学のための断章』(高祖岩三郎訳、2006年、以文社)、や『資本主義後の世界のために』(高祖岩三郎訳・構成、2009年、以文社)が翻訳されています。
李珍景さんは、80年代後半の民主化闘争の時代に学生運動の理論的リーダーとして活躍し、現在は研究空間「スユ+ノモ」の代表的メンバーとして、グローバル資本主義の外部へと向かう生と思考を探求されています。研究者たちのコミューンとしてつくられた「スユ+ノモ」の実践は、昨年出版された『歩きながら問う』(金友子編、インパクト出版会)などで紹介され、近年日本でも注目を集めています。
池上善彦さんは、『現代思想』の編集長として、グローバル資本主義の問題や、それに抗する運動実践について、誌上で先駆的に取り上げてきました。また、近年では50年代の東京南部のサークル運動の研究に取り組むなど、「民衆」の民主主義の実践について思考してきた研究者でもあります。
多くのみなさまの参加をお待ちしております。