第一回台湾・琉球・沖縄研究所合同研究会

琉球・沖縄研究所台湾研究所の合同研究会のお知らせを頂きました。

さて、第一回、台湾・琉球・沖縄研究所合同研究会を以下の通り開催いたしますのでお知らせいたします。

日時:3月30日(火)16:30-19:30
場所:早稲田大学早稲田キャンパス22号館7階717教室
(ご参照:早稲田大学キャンパスマップ)
http://www.waseda.jp/jp/campus/waseda.html
※中央図書館と北門のある通り(グランド坂)を下ったところに22号館はあります。

発表者:
(1) 八尾祥平
首都大学東京大学院人文科学研究科博士後期課程
日本学術振興会特別研究員(DC)、早稲田大学琉球・沖縄研究所客員研究員)
発表題目:琉球華僑総会の設立過程について
(発表要旨)
本報告は、在沖縄台湾華僑の親睦団体である琉球華僑総会の設立過程を中華民国外交部の公文書資料を中心にして分析したものである。外交部の資料の分析を通して、(1)終戦後の沖縄社会における華僑の状況、(2)日本の沖縄に対する潜在主権を認めない立場をとりながら、米軍統治下の沖縄で領事館を設置できずにいた当時の国府がどのような体制で華僑を管理できたのか、(3)華僑総会設立過程とその担い手の分析から、国府が華僑総会をどのように利用しようとしていたのかを当時の社会背景との関連から明らかにする。

(2) 泉水英計
神奈川大学准教授)
発表題目:G.H.カーのみた台湾・沖縄
(発表要旨)
ジョージ・カー(George H. Kerr)は冷戦期に台湾と沖縄の歴史を書いた米国人学者である。台湾では、第二次大戦中の海軍情報部員としての活動、二・二八事件の渦中での台北副領事としての活動がよく知られており、また、この体験にもとづいて著されたFormosa Betrayed の著者として有名である。一方、沖縄では、1950年代初めに軍事要塞化をすすめていた米軍の依頼を受け、琉球大学の教科書用に通史を書いている。市場版は、今日まで英文による唯一のものとして知られているOkinawa: The History of an Island Peopleである。台湾の カーと沖縄のカーは連続しているにもかかわらず、それぞれ一方の横顔だけが、それぞれの場所で知られている。両者を合わせて彼の正面像を描いてみたい。米国の戦略と結びついた学知の政治性という問題を超えて、歴史叙述を無意識のうちに規定する認識枠組みという問題が浮かび上がるだろう。

今回はこちらの手際が悪く、開催間際でのお知らせとなってしまいましたこと、また、お知らせを重複してお届けしてしまった先生方もおられますこと、ご迷惑をおかけしまして、深くお詫び申し上げます。以後、こうした連絡の不手際がないよう、細心の注意を払いますので今後ともご指導ご鞭撻を賜れば幸甚です。

皆様におかれましては大変お忙しいかとは思いますが、是非ご出席をいただければと存じますのでよろしくお願い申し上げます。